生まれて初めてLPを買う

ジャーーんっ!!これが生まれて初めて手にしたLP盤『森山良子カレッジフォークを歌う 第2集』。カルメンマキさんが歌ってヒットした『山羊にひかれて』から、数年前話題になった『さとうきび畑』まで、当時みんなが知っていると思われる歌が沢山入っていた。実は彼女は『、、、第1集』というのも出しているが『、、、第3集』以降はない。入っている曲をすべて覚えているわけではないが、忘れられない曲がこのアルバムの中にある。『死んだ男の残したものは』は激しい反戦歌。『おとう帰れや』は炭鉱で働く労働者の歌だったと思う。勿論『さとうきび畑』や『山羊にひかれて』もよかった。どの曲もくどいほど丁寧に歌い込まれていて、どうしても『聞き流す』というわけにはいかない。声の綺麗さもあって、つい、なにかやってる手を止めて聞き入ってしまう。バックもカラフルで、ギターとベースだけのもあれば、オーケストラがかかっているものもある。

この頃って、今と違って、歌は大事にされてたなぁ〜と思う。高校時代にはギターを持って歌う連中がいた。よしだたくろうさんの歌なんかが文化祭で披露されて拍手喝采を浴びたりした。このアルバムに入っている『山羊にひかれて』のように、山羊にひかれて山越えて、幸せ探しに行きたいものだ。でももうそんなのどかな風景を頭の中に思い描くことさえ難しくなってしまった時代を生きているんだなぁ〜と思うと、なんとなく寂しいような、、、悲しいような、、。言葉が言葉として、多くの人達が共通の概念を持っていた時代は遥か昔のことになって、とめどなく言葉を尽くしても他人と同じ気持ちを共有できなくなってしまった。言葉の限界が近づいているのか知らんと思う。それとも、言葉からはみ出てしまう気持ちが俺達の中に発生したのか知らん、、。まぁ〜このアルバムも『団塊世代の遺物』として扱われてしまうんでしょうな、、。ああっ、情けなやぁーーっ。(泣)